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2012年9月20日 (木)

原子力規制委は異常分娩

                             

原子力の安全規制を一元的に使う新組織「原子力規制委員会」の委員長・委員は、国会の会期切れや民主、自民両党の代表選、尖閣をめぐる日中間の緊張などのどさくさで、国会の同意を得ないまま首相任命で就任した。いわば異常分娩だ。

原発再稼働だ、原発ゼロ化だという重大な舵取りを担う新組織の出発さえまともに運ばれない。国会の同意という重いハードルをすり抜けてその人事が決まってしまう。田中俊一委員長らが「高い独立性だ」「地に落ちた信頼の回復」などと叫んでもむなしく聞こえてしまう。

 田中委員長と4人の委員を任命する人事案は7月に国会に提出されたが、いずれも原子力ムラの出身であり独立した規制行政ができるかどうか疑わしいとして野党のみならず与党民主党からも差し替えるべきだという声があがり、国会の同意は先送りされていた。原子力規制委員会の設置期限が迫る一方、国会も会期が切れてしまったため、国会の同意なしに首相が任命できるという付則規定に基づいて任命された。

それでも原則として次の国会で「事後同意」を得なければならないから、そこで同意が得られなければ委員長・委員は罷免されることになる。5人は当分、仮免許ということだ。罷免されることがあるかって?。あるわけないじゃん。座ってしまえばそれまでで、各党間の根回しが行われ、議運理事会の段階で「全党異議な~し」ってなことになるんです。そこまで行くと国民には何も情報も流れない。新聞、テレビもなぜか批判しない。

重要な人事を同意なしのまま政権に押し切らせた民主党の国会運営は常識外だ。そんなやり方を見て見ぬふりをしている新聞、テレビの記者、論説人たちはみんな永田町の出身者か住人に違いない。

記憶力のいい方は覚えているでしょうが、2007年の自民党安倍晋三内閣の時の日銀総裁人事案をめぐる当時の野党、民主党のやり口を民主党に思い出してもらいたいね。参院多数の「衆参ねじれ」に悪乗りして次々と法案をつぶし、人事など同意案件は壊滅状態にした。

その中でも元大蔵省事務次官、武藤敏郎氏が候補に充てられた日銀総裁人事を「財・金分離の原則にそぐわない」と難クセをつけて同意拒否、何と半年間にわたって日銀総裁ポストを空白にし、国際社会の笑いものになった。

規則や手順にうるさい民主党だが、自分たちがやることにはまことに寛大で、自由気ままなのだ。法や規則に沿っていくのではなく、法や規則を自分たちの都合に合わせてしまう。

田中委員長は、福島原発事故後、原子力の平和利用を進めてきた者として国民に深く陳謝するという声明を出した専門家16人の1人で、その反省を行動に移して除染指導を続けてきた。誠実な人柄と受け止めるが、そういう人物まで後ろめたい思いにさせて新組織をスタートさせる民主党の不実には腹が立ってしまう。

川柳「朝囀」 「一任」と うやむやが好き 民主党      ()

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