« 野田さん、辞任しかない | トップページ | 小沢に仇うちだ、安倍さん »

2012年9月26日 (水)

維新との融合めざした自民党

自民党総裁選は国会議員による決選投票の結果、安倍晋三氏が新総裁に選ばれた。安倍氏は5年前志半ばで首相の座を去ってからの再挑戦を実らせた。自民党の総裁経験者が再選されたのは初めてのことである。

虚々実々の多数派工作の結果としての安倍氏の勝利だが、その実は次の総選挙の結果を見据えた戦略が描かれている。つまり自民党の面々は、総選挙で橋下大阪市長率いる「日本維新の会」が多数を獲得すると踏んでいる。その場合に連立政権の誕生が有力だ。その時に誰が一番可能性があるか、有力か。答えは言うまでもなく安倍氏だ。

 

安倍氏は「日本維新の会」が国政に進出するに当たって橋下氏から新党の党首あるいは指南役への就任要請を受けるほど橋下氏とは気脈を通じている。自民党総裁への思いを断ち切ることができず、橋下新党への参画は断念したが、その絆は少しも弱まっていない。その絆を念頭に自民党の面々は、次期総選挙の結果をいろいろ予測するにつけ、橋下新党の勢力は決して無視できない、少なくとも野党のみじめな立場を早期に脱したい、という思いを選挙戦を通じて強くした。安倍氏への支持は終盤に向かうにつれて勢力を伸ばし、投票日ぎりぎりで石破氏をとらえたといえる。国会議員票一つで再選に漕ぎ着けた。

安倍氏といえば、5年前、新世代を開くリーダーと期待され総裁に選ばれ首相に就任したが、大逆風のなかの参院選で敗退し「衆参ねじれ」に悪乗りした当時の小沢民主党の横車政治に打ち倒された。すべての法案を参院でつぶし、当時、最大のテーマだったテロ対策特別措置法に基づくインド洋での給油延長法案をつぶされ、国際社会の信用を失墜するという苦境に陥った。安倍氏は神経性の内臓疾患を発症し、断腸の思いで退陣した。

その小沢民主党の人の道に背く政治手法とそれを打ち砕くこともできなかった自民党の非力さへの恨みは想像するにあまりある。その意味では今回の再挑戦はそうした政治集団への無言の反撃であり、志半ばで奪われた絵筆を手に描きかけたままだった作品の完成を目指したものだ。それだけに念力では他の候補者はまるきり及ばなかった。

 

安倍氏は当選の挨拶で「5年前の責任は決して消えるものではない」と述べ、そこが再挑戦への基底であることを何度も強調した。それはそのまま政権奪還への誓いでもあったろう。

強い日本、豊かな日本、日本に生まれたことを誰もが幸せと思える日本、子どもたちがそこに生まれたことを誇りに思える日本をつくることをめざし、政権奪還に向けて全力でつとめてまいりたい。民主党と違い、責任ある政治をやる」と語った。

総裁選の遊説そのままの決意表明だったが、久々に活気のある言葉を政治家から聞いた。

「政権を失い、未曾有の脱力感に覆われていた自民党をここまで支えあげてくれた谷垣前総裁に限りない感謝の言葉をおくりたい」と谷垣氏へのねぎらいのことばを忘れなかった。それが聞いていてうれしかった。続投の意欲いっぱいだった谷垣氏を無理やり引きおろした石原氏とその勢力とえらい違いだ。

有権者の「一票」をまやかしの政権公約「マニフェスト」で一網打尽にした小沢民主党の不実を受け入れることができず、正義のために、信義のために、政権の問い直し、早期解散を叫び続けた谷垣氏の3年間は決して無駄ではなかつた。鈍感な世相の中にあって、その一徹さに目を覚まし心躍らせて政治の道を志す青年たちが私たちの周囲でも生まれている。彼らが必ず自民党再生、政治再生の推進者として成長するはずだ。

「政治は嫌いだ」といって背中を向けてしまうのはたやすい。その方が楽だ。だが、それじゃあ政治家の思うツボだ。「一票」の振り込め詐欺が政界で常態化する。どんなに苦労して税金を納めても何も還元されない時代になっちゃう。そんな時代にしちゃならない。

 

 

« 野田さん、辞任しかない | トップページ | 小沢に仇うちだ、安倍さん »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 維新との融合めざした自民党:

« 野田さん、辞任しかない | トップページ | 小沢に仇うちだ、安倍さん »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ