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2012年10月31日 (水)

民主党は野党批判ができるのか

参院で首相の所信表明演説ができなかった異常事態について民主党が野党批判を強めている。輿石幹事長は「本当にこんなことがまかり通っていいのか。国会の責任を放棄した(野党の)行為はあるべからざる恥だ」と怒り心頭だ。確かに何もなくて一方的にこんなことになったなら野党は全員切腹ものだ。

 

だが、ことここに至ったのには流れがある。その過程で誰が咎められるべきだったかということが大事だ。今、目の前のことだけをもって論じたら、やり得になってしまう。横車を押してきた者が問われることなく生き延びてしまう。つまり、参院で首相が所信表明演説をやれなかったことも野党が代表質問を断念せざるを得なかったのもその責任は民主党にあるということだ。切腹すべき者が小刀でなく「伝家の宝刀」(解散権)を抱えて逃げ回っているからだ。

 

民主党は自らが演じてきた乱暴な「力ずくの政治」を思い起こすべきだ。2007年参院選で大勝して衆参ねじれを引き寄せると、当時の小沢一郎代表は「ねじれは国民からの政権交代のお墨付きだ」と公言し、「良識の府」たる参院を「政局の府」に貶め、ことごとく法案をつぶし、安倍政権を揺さぶった。武藤敏郎元大蔵次官の日銀総裁人事を半年間にわたって棚ざらしにし、米軍を中心とするテロ対策活動にインド洋上で給油支援する法の延長をつぶし、国際社会の信用を失墜させた。安倍首相はあこぎな小沢民主党の揺さぶりに苦しみ神経性の内臓疾患を発症し退陣に追い込まれた。

 

「私には興味のない法案だ」と捨てゼリフを残し、法案の採決を前にした国会を放り出し、大阪府知事選挙の遊説に出かける小沢代表を民主党員はご覧になっただろう。その後2,009年衆院選は「ばらまきマニフェスト」とメディアの応援で圧勝、政権を奪った。しかし、そのマニフェストはほとんど実現できない。早期に解散して政権の正統性を問い直す―それが信義を重んずる国会なら当然だった。それをノラリクラリと口先でたぶらかしながら政権にすがりついてきたのが民主党だ。特に野田首相の不誠実さは政治家である前に1人の人間としても受け入れられないだろう。

 

解散権を盾にして遮二無二逃げ回る姿はもはや一国のリーダーとは呼べない。そこに目をつぶってきたメディアが今、野党の行いを子どもの喧嘩だ、参院を貶める行為だといって扱き下ろしている。言うに事欠いて野党に器の大きさを見せたらどうかという。何がこわいのか知らないが、小沢代表による横車政治を何一つ批判することもできず、やるがままながめていたメディアが人が変わったように野党をたたきまわる。当の小沢氏は今や党を出て縁もゆかりもない政党の代表だから咎めても仕方がないというのだろうか。

報復の応酬はむなしい。私たちは政治家たるもの、まずは信義、正義に立脚することを心から願わずにはいられない。

 

川柳「朝囀」 剥がしたい 仏面の下 鬼の面    (誠)

 

 

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