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2012年10月 7日 (日)

沖縄を落胆させる報道

「オスプレイ配備完了」。今朝(7日)の新聞各紙はまるで相談して作ったかのように同じ見出しがそろった。あれほど連日のように紙面におどった怒りや憤り不安を訴える見出しはどこにも見当たらない。この変わりようが沖縄の人々を一段と悲しませているようで仕方がない。

 

山口県の米軍岩国基地に残っていた新型輸送機オスプレイ3機が沖縄の普天間飛行場に移動し、全12機の沖縄配備が完了した。地元、宜野湾市の佐野真淳市長が思いつめたように語った通り「結局、配備ありきで進んだ」ということだ。

民主党政権が口を開けば言ってきた「沖縄の危険解消」「沖縄の負担軽減」とは何だったのか。国会の所信表明でそれを約束した野田首相は、なぜ、沖縄の人たちに自分から説明もせず、逃げ回っているのだ。軍人だか学者だか評論家だか政治家だか分からない間に合わせの防衛大臣を批判の「弾除け」にして、平然としている。この人には「こころ」がない。

 

それにしても新聞、テレビの報道姿勢の変わりようには驚かされる。見出しそのものも無味乾燥、人間の心も感じさせない。記事の中身も淡々と事実のみを伝えた新聞が多い。「配備予定の全12機が配備された」「米海兵隊は順次、沖縄などで本格的な訓練をはじめる」…1面から社会面まで連日のように大見出しで「沖縄の安全を守れ」「絶対安全が確証されるまで飛行を許すな」と主張したのは一体何だったのか。どこからか圧力でもかかったのか。

沖縄の人たちの落胆は大きい。それを真っ正面から取り上げた共同通信の配信記事は政権、民主党に対する不信と怒りをしっかりぶっつけていた。「反対しても何も変わらない」「沖縄は 見下されているんだ」という沖縄国際大生、仲曽根翔吾さんの嘆きのひと言が光っていた。

 

記事や報道にも減衰性というのがある。ニュースも報道され続ける間に次第に小さくなっていくのだ。それはニュースの価値の問題もあるが人間、記者に慣れや飽きがあるからだ。もちろん、それが正しいとも当たり前だとも言わない。社会に伝えなければならないニュースはどこまでいってもしっかり伝えなければならない。

その意味で今朝の新聞、テレビ報道の変わりようには引っかかる。仲曽根さんをはじめ沖縄の人たちの嘆きにはその落差への寂しさのようなものがあったと思われる。

沖縄県民の訴えは、結局、今回も米政府はもちろん日本政府にも届かず、むしろ無視されてしまった。結局、「配備ありき」だった。それを新聞、テレビが報道を通して時にガス抜きを演じ、時に既定方針の固定化を演じてきたのかもしれない。

 

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