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2012年11月 2日 (金)

懲りずにやるの?マニフェスト

自民党は次期衆院選で「マニフェスト」の呼称を使わないと決めた。本欄はマニフェスト廃止の全国運動を訴えてきた。偽りの厚化粧とも言うべき、集票の方便を廃止するのは当然だ。マニフェストの呼称をやめるだけでなく、責任のある公約とするよう内容についてもきちっとしてほしい。

 

一方の民主党は、前回のマニフェストが総崩れしたことへの「おわび」からスタートするという。あれだけ国民を裏切り、政治への信頼を貶めておきながら、まだ「マニフェスト選挙」を続けるというのだからあきれる。前回のマニフェストの達成率を31%と先に発表したが、どうせお手盛りだろう。問題は政権交代につながった主要テーマの成否だ。中学生まで子ども1人当たり月額2万6000円支給の「子ども手当」は半額支給を1年やっただけ、農家の戸別所得補償は立法化できず、高速道路の無料化も予算計上できず、月額7万円の最低保障年金は具体化先送り…といった具合だ。

 

実現できたのはただ一つ高校授業料の無償化だけだ。マニフェストにも載せず、政権の任期4年間は触れもしないといっていた消費税率の引き上げはやるわ、TPP参加協議入りは強行するわ、約束違反の山だ。予算の組み替えや無駄の洗い出しで16兆8000億円の財源をねん出できると豪語し、省庁や出先機関を事業仕分けでつるし上げたが、雫ほども出なかった。3年も経ってから「財源見通しに甘いところがあった」と国会で首相自ら認めたが、それも口ばかりだ。最初から有権者を一網打尽にして政権を奪う方便だったことがバレた。

 

「マニフェスト詐欺だ」と野党の厳しい批判を浴びたが、ズルズルと逃げ延びてきた。約束が守れない、履行できないとなれば契約を反故にして資格を失う。それが約束社会の原則だ。正義だ。即座に政権を返上するか、解散して政権の正統性を問い直すのが当然じゃないか。それを逃げ回ってきた。その逃走を助けてきたのが新聞、テレビだ。「財源予測は狂うこともある」「マニフェストは修正すればいい」なんて、ウソや方便を認めるようなことを言ってきた。一番の被害者であるはずの世間だって、何ですか、この無関心は!

 

だから、今回だって民主党は、マニフェスト作成にあたって、当初は成果をアピールしたものにしようとしていたというではないか。だが、いかんせんそれは通らないだろうと軌道修正した。しかし、マニフェストを集票マシンと考える集団だからあきらめはしない。今度は国民の意見を聞いてマニフェストを作るのだそうだ。国民の「一票」が集まりそうな声を選び出し、それに財源や実現時期を書き加えていく、ばらまき手法になる。まさしくポピュリズム政治、人気取り政治だ。今、国民が政権に期待しているのはこの国をどんな国にするのかという大きな方向付けだろう。何を考えているんだ。

 

自民党だってそうだ。マニフェストは国民の信頼を失っているから言葉として使わないというだけじゃなく、政権交代につながるような「政権公約」の厳格性についてきちっと議論してかかるべきだ。仮に政権を奪還しても公約が守れないような事態になれば、これまで民主党の「約束不履行」を責めてきた手前、政権にとどまることはできない。即刻、政権を返上するか解散して政権の問い直しをしなければならないのだ。それが出来なければ今の民主党に対する批判よりはるかに厳しい反発を覚悟しなければならない。

それにしてもこんな欺瞞性の強い、ウソの上塗りともいうべき「マニフェスト」をわが国に持ち込んだ輩は一体、何を考えているんだ。釈明一つぐらいあってもいいだろう。

 

川柳「朝囀」 「一票」の 振り込め詐欺を またやるの?   ()

 

 

 

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