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2013年1月23日 (水)

この親たちにして、この子らあり

私たちの将来はどうなるんですか。報道陣の前に立って「市長も十分に話を聞いてくれなかった」と心の内を語った体育科の在校生たち…実質は看板を掛け替えたかっこうで存続することになったことをどう受け止めているだろう。そして亡くなった友のことは今、どう考えているだろうか。

 

                           

 

からだと心の健康を学ぶ体育科の教育は一体どうなっているのか。顧問教師の体罰を苦にバスケットボール部主将の少年(享年17)が自殺した大阪市立桜宮高校の顛末を見ているとそう考えてしまう。1人の友が自ら生涯を閉じたというのに、自分の夢や将来にだけ目を向ける子どもたち…それをなぞるように、子どもたちがかわいそうだ、夢を砕くなと合唱する親たちだ。

 

日本を代表するアスリートになりたい。将来、オリンピックに出たい。進路は桜宮体育科しか考えていない。正直に思いを語ることは悪いことではない。だが、その前に人として大切なことがある。自ら生涯を断ち、その夢や希望さえ描くこともできず散ってしまった友への悼みの心だ。

 

私たちの将来は…と叫ぶ前にその友の無念を思って欲しかった。「君たちが自分の将来にこだわるように友も叱られる中で自分の将来が不安になったのだろう」「志望先の学校や学科を替えることは友の苦しみを思えば乗り越えられるだろう」「進路や希望を替えなくちゃならんことは人生にはいくらもある」…先生たちにはそういう話を生徒にしてほしかった。

 

それもしない市教委はすでに生徒たちから見透かされている。決まった入試措置をみても少年の死があまりに軽んじられている。いや、ほとんど無視されている。体育科としての募集は中止するが、定員120人は普通科として募集し、カリキュラムも試験科目も体育科と同じにする。体育科の入試を停止しろという橋下市長に看板を替えて応え、子どもたちには体育科で学ぶのと何ら変わらないよう配慮した。

 

市教委の長谷川恵一委員長が自嘲気味に語っていたように「単なる看板の掛け替え」だ。ほとぼりが冷めたらまた体育科に看板を戻すのだろう。少年の父親が顧問教師を暴行の罪で警察に告訴した。わが子の死を石コロでも避けるようにすり抜けたつじつま合わせをこのまま放免するわけにはいかなかったのだ。

 

川柳「朝囀」 天あおぐ その親にして その子あり   ()

 

 

 

 

 

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