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2013年4月 9日 (火)

「鉄の女」じゃなかったサッチャーさん

元英国首相、サッチャーさんが亡くなった。

1991年秋、私が勤めていた新聞社の創刊記念にお招きし、「国際社会における日本の役割」と題する講演をしてもらった。首相を退いて間もない時だったが、日本の科学技術の高さをしきりに称えていたのが印象に残っている。

右手を遠慮がちに振るいつものポーズが記憶に残っている。

 

鮮やかな紫色のドレスが威風堂々の感を添えていた。

講演を終わるとすぐ新幹線に乗って、まさにトンボ帰りしていった。

偉大な政治家は一つの国家だというが、この人の行くところはいつも国が動いているような印象を与えた。それくらい影響力があった。

「老大国」「英国病」などと侮蔑の言葉で呼ばれた国を規制緩和や国有企業の民営化で立ち直らせた。

 

その背景に科学教育の振興があった。

そのお手本はわが日本の技術革新と急速な近代化にあったことを強調したい。

若者に国家が投資することを惜しんではならないと政敵を論破した。

苦しい国家財政ながら教育投資を惜しまず、教育制度の改善にも挑戦した。

二大政党化、党首討論…など、英国をただ模倣するだけで政治が近代化すると信じているわが国の政治家とはエライ違いだ。

 

サッチャーさんが保守党党首になった時、保守的なメディアがしきりと「女性党首」と書き立てた。その政治的分析を忘れた報道に食いついた。

男の党首の時は「男性党首」といわないのに、なぜ女の党首になったら「女性党首」と大騒ぎするのかという不満だ。その悪弊は今も続いている。

米国ではヒラリー前国務長官が「米国最初の女性大統領めざして活動開始」と伝えられ、わが国でも内閣組閣のたびに「女性大臣」が何人誕生と騒がれる。

 

英国の歴代首相の中でサッチャーさんと対比できるのは何人いるか。

チャーチル、イーデン、ヒューム、ウイルソン…男は後ろ姿で自分を語るというが、その言葉通りの首相はいずれか。

抵抗されても、不評でも、不人気にたえても、やるべきをやるのが政治家だ。

そう説いて国、国民を守り、支え通した。

サッチャーさんは、気品とやさしさをたたえた英国民の「お母さん」だった。

 

川柳「朝囀」 死してなお あしあと光る 政治家ぞ  ()

 

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