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2013年11月28日 (木)

60年前の取り違え…もし、それが自分だったら

 

 60年前、病院で出生直後に取り違えられた男性のテレビ会見を聞いた。

生まれた日に時間を戻してほしい―静かな語り口にも悔しさがにじんでいた。

自分の意思とは関係なく実の親から引き離され、縁もゆかりもない、血もつながっていない親に育てられた…推理小説のような話だ。

もし、それが自分だったら…そう思うと胸がつぶれそうだった。

 

男性は13分後に同じ病院で生まれた別の男の子と取り違えられた。

2年後に父親が亡くなり母子家庭になった。働きながら定時制高校を卒業した。

男性が育つはずだった本当の家庭は経済的にゆとりもあり、取り違えられたもう一方の男の子と弟3人は全員大学を出た。育った環境はあまりに違った。

自分もそこで育てば大学も出してもらえた…男性の心は察するに余りある。

 

 男性を育てた母親は自分の子どもではないような気がすると漏らしこともあったそうだが、その頃はDNA鑑定などというものもなかった。

上の2人の子どもと同じように母親は愛情を注いで育てた。

取り違えられたことが判明したのは昨年1月だった。

会いたかった実の両親はすでに他界していた。

 

 だが、男性はそのくやしさ、悲しみをこらえて会見では育ての親や兄への感謝の思いを静かに語った。母は精いっぱいやってくれた…兄2人もかわいがってくれた。

会見を聞きながらその静かな語り口に救われる思いがした。

実の弟たちと飲みに行くこともあるという話には涙が止まらなかった。

60年分の落差を取り戻せるか…人生80年時代とはいえむずかしいだろうか。

 

取り違えた病院に男性の人生を狂わせてしまったという思いはあるだろうか。

賠償金をどんなに積まれても埋め合わせることが出来ないものを失った。

会見の中で当時を知る医師がベビーブームの渦中で産院が混乱していた実情を証言、致しかたなかったと言わんばかりだったのが気になる。

赤ちゃん取り違えの可能性数字を映し出したテレビ画面を疑った。

「人間は過ちをおかすものだ」という別の医師の証言に言葉を失った。

 

 

 川柳「朝囀」安心せよ お前産んだは 自宅だよ  ()

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