集団的自衛権の行使…歯止めは国民の力いかんだ
現下のアジアの危うい情勢を考えれば必然的な安全保障政策の転換だ。
「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、必要最小限の実力を行使するのは自衛の措置として憲法上許容されると判断するに至った」。
集団的自衛権の行使容認の基本概念を政府はそうまとめた。
歴代政権が憲法の下で許される武力行使は、自国が攻撃された場合に反撃する個別的自衛権に限られ、自国が攻撃されていなくても、同盟国などに対する攻撃を武力を使って阻止する集団的自衛権の行使は許されないという立場をとってきた。
それをハードルの高い憲法改正ではなく憲法解釈の変更という便法で進めた。
憲法で政府の権力を制限する立憲主義を損なうと指摘する声がある。
本来は憲法改正が正統だろう。でも、現行の判断が一つの憲法解釈に基づくものである以上、その解釈を変えることも認められるべきだ。それが憲法をないがしろにする、平和主義の放棄につながる,9条の理念を空洞化するという批判があるが、それは警告というより敗北宣言のような呪縛だ。むしろ憲法解釈の暴走に対する歯止めをさまざまに設定したことを評価すべきだろう。
それ自体が解釈によってどうにでもなる、歯止めにならないとする主張が野党にあるがそれ自体自らの役割を放棄する理論だ。いい加減な判断、解釈にならないよう政権を牽制するのは自分たちの役割りだ。政権が集団的自衛権を行使しようとした時、それが「日本の存立が脅かされる」「国民の権利が根底から覆される」「明白な危険がある」というケースかどうかを見極める力を持たなければならない。
今回の転換は日本がより重い責務を引き受けることを国際公約したものだ。
国民理解を置き去りにしたとの批判があるが、与野党を問わず政治家は選挙区において説明責任を果たしたか。独裁国家ではない。文民統制がしっかり担保された民主国家だ。今の野党はほとんど頼りにならない。集団的自衛権を滅多に行使させない状態にできるかどうかは私たちにかかっている。
川柳「朝囀」 批判だけで 国を守れる? めでたいな (誠)
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コメント
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安保上の例え話だけでなく現実に北朝鮮に拉致され憲法の庇護も受けられない状態に置かれて居る日本人被害者をどう救うのかを論議して欲しかった。こんな犯罪国家に威嚇も出来ない、自衛隊が救助にも行けないばかりでなく火の海にする等と恫喝されても何も出来ず唯頭を下げて返して下さいとお願い位しか出来ない情けない日本の現状を少なくとも世界一般並みの誇りある対応をとれる様な国にするのには如何すればよいかを議論してほしかった。解釈の変更であれ憲法の改正であれ誇りある国にする為には絶対に必要な道だ。憲法を守れと声高に叫ぶ人がいるがそう言う方に頭を下げて返してと言うしか出来ない現状の憲法下で何ができるのかを問いたい。
投稿: 大澄 功 | 2014年7月 2日 (水) 17時15分