王さまの前で人の道説く…平和賞のマララさん
世界の指導者たちは、なぜ自分の子どもが数学や科学の宿題をしている時に、途上国の子どもは基本的な読み書きだけできればよいと思うのか―。
ノーベル平和賞を授与されたマララ・ユスフザイさん(17)の受賞演説の中の一節だ。史上最年少のノーベル賞受賞者と称えられる少女の声は、もう立派な思想家、啓蒙家の響きを持っていた。
女子の学ぶ権利を否定している反政府武装勢力パキスタン・タリバーンにおびえながら学校に通う暮らしを英国BBC放送のブログに仮名で投稿し続けた。パキスタン政府主催の講演会に招かれ女子教育の必要を説いた瞬間から実名を知られ、武装勢力から狙われるようになった。そして2年前の10月9日、下校のためスクールバスの中にいたところを覆面の男たちに銃撃され、重傷を負った。
マララさんは英国に移送され懸命の治療のお陰で助かった。
反政府武装勢力はマララさんの影響力におびえ、マララさんが政府批判を続けるうちは襲撃をやめないと言っている。大の大人が少女の叫びにおびえ武力で言動を封じようとしている。それをやめさせる力は国内の政治家にもないし、国境を超えた国際世論もほとんど無力だ。
そんな大人社会の無力さに失望した女性たちはマララさんに刺激を受けていろんなことを学んだり、夢をめぐらす活動をはじめた。マララさんはオスロの授賞式にスクールバスで一緒に銃撃され負傷した友人や抑圧された周辺国の女性などを招いた。今回の受賞は自分だけでなく世界各地で抑圧され苦しみの中にある女性や子どもたちへの励ましと勇気づけだとマララさんは言っている。
内戦のシリアで戦火の下の子どもたちを案じながら銃撃戦に巻き込まれ亡くなったフリージャーナリスト、山本美香さんのことを思い浮かべる人もいるだろう。 戦火の下を逃げ惑い、おびえ、傷つき、息絶えていく女、子ども…消え入るように助けを求める、その声に引き戻されるんです。生前、そう語っていたのが思い出される。天国でマララさんの受章を喜んでいるに違いない。
川柳「朝囀」人の道 王さまの前 少女説く (誠)
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