民主党、大物そろって重複立候補…御身大切じゃ
比例区に名を連ねておけば小選挙区で落ちても生き返れるという「重複立候補制」という珍制度が衆院選挙にはある。まじめに表現するなら一種の保険だが、利用するのは小選挙区を勝ち抜くだけの自信がない候補者の「かけ込み寺」みたいなものだ。普段えらそうなことを言っていてもその意気地なしぶりが選挙の時にバレるからおもしろい。
2日公示された今回の解散総選挙で海江田万里代表(東京1区)や野田佳彦前首相(千葉4区)、菅直人元首相(東京18区)ら民主党の大物がうちそろって比例区にも重複立候補した。海江田代表も菅元首相も前回の選挙では小選挙区で落ちたが比例区で生き返った。野田前首相は前回、現職の首相だというのに重複立候補に保険をかけるというありさまだった。
代表や前・元首相らの周辺は「党首やその経験者が落選すれば党へのダメージが大きいのだから保険をかけるのはやむを得ない」といってるが、党内からは「リーダーとしての覚悟はないのか」「誇りはないのか」「情けないとは思わないのか」といった批判の声があがっている。特に志を抱いて政界に転じたというのにいつまでたっても古手にじゃまされている若手の党員は怒り心頭だ。
元々、この重複立候補制というのは現職がバッジを失わないために考え出した便法で、基本的人権たる選挙権をもてあそぶ邪道だ。小選挙区で落選してもその得票が当選者の得票に近接していれば、その近似値を重複立候補者の間で比ベ一番多い者が復活する。小選挙区での落選は本来、政治家としての失格判定なのに、別の判定の場で有資格者に変えてしまうのだから、乱暴この上ない。
制度があるのに利用してなぜ悪い。あらかじめ重複立候補することを名簿で明らかにしているのになぜ悪い。重複立候補者の周辺からはそんな開き直りとも思える声も聞こえるが、選挙制度はもっと簡便なのが望ましい。テレビの小選挙区の開票速報場面で「私の不徳です…」と落胆していた人が1時間もしない比例区の開票場面で「バンザーイ」と叫んでいる姿は政治の不可解を象徴している。
川柳「朝囀」 生き返る チャンバラ映画 そっくりです (誠)
http:∥gonbee-72.cocolog-suruga.com
« さあ公示!も感慨なし…どうなる「新党ひとり」のご両人 | トップページ | ますます混乱しちゃう…分かりにくい選挙世論調査 »
「ニュース」カテゴリの記事
- いつからそんなに寛容になった、枝野立民党代表。(2017.10.30)
- 立憲民主党、青山雅幸議員は即刻、辞職すべきだ(2017.10.27)
- セクハラはだめだが不倫はいい? どうなってるの立民のけじめ(2017.10.27)
- 小池さん、衆院選に「出ます」と堂々とおっしゃったら―(2017.09.30)
- この解散「不まじめ解散」と命名しよう(2017.09.17)
« さあ公示!も感慨なし…どうなる「新党ひとり」のご両人 | トップページ | ますます混乱しちゃう…分かりにくい選挙世論調査 »
コメント