みぞれの下の物乞い…虐待される子どもたち
雪国の人々には笑われるかもしれないが、6日は霙(みぞれ)のような寒い雨だった。霙といえば記者だったころ取材先の雨空の下で物乞いの子どもたちに囲まれた日々を思い出す。はだしの子もいる。赤ん坊を背負った子もいる。その赤ん坊が障害を持っていることを身振り手振りで必死に説明する。
かわいそうにと思ってポケットの硬貨を与えた。
特に今時分のモスクワなど貧しい東欧の地で出くわした体験は忘れることができない。子どもたちには罪はない。それなのに生まれ落ちた国、時代、そして環境に翻ろうされて生きなければならない。何歳まで生きのびられるか分からない。あすは雪の中で生涯を終えているかもしれない。あるいは人さらいに狙われてまたどこかに連れて行かれる。そんなことをいつも考えた。
人さらいといえば、パキスタン南部のシンド州で障害のある子どもを誘拐し、イランなどイスラム国で物乞いをさせていた8人組のギャングが現地警察に逮捕される事件があった。もう3年あまり前のことだが、ギャングたちは子どもたちに寺院や聖地で物乞いをさせ、1か月に1人4、5万円を稼がせていたという。障害を背負った子どもたちへの同情に目をつけた残酷さに言葉を失う。
逃げられないよう監視の目を光らせ、奴隷のように働かせていたのだろう。モスクワ・クレムリンの霙降る赤の広場で出会った物乞いの子らはジプシーの出身だと聞いたが、中には誘拐された子らもいたのかもしれない。子どもたちは風呂にも入ったことがないのだろう、真っ黒な顔をしていた。痩せこけた顔の奥の目はどんよりとして輝きはなかった。
ノーベル平和賞の少女、マララ・ユスフザイさん(17)が「すべての子どもが学べる国にしたい」と訴える背後には虐げられた子どもの悲しみと怒りがにじんでいる。それに比べ私たちの周囲では「なくそう子どもの格差」「先進国で最低子どもの幸せ度」などという政治的なプロパガンダであふれる。子どもを政治に利用するもう一つのたくらみだ。そこには本当の幸せなんか見えてこない。
川柳「朝囀」子どもらを 政治に使う 悪だくみ (誠)
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