もう一度書く、命にまさる自由あるか…命軽視のメディア論調
もう一度書くことにする。
「旅券返納命令は権力の逸脱だ」「渡航や報道の自由も阻害している」―シリアへ渡航しようとしていた新潟市のフリーカメラマン杉本祐一さん(58)から外務省が安全確保を理由に旅券を返納させたことを新聞、テレビがそういって騒いでいる。人の命を守るという報道責任をどう考えているのか。
安全を自ら守れる保証のない危険区域に入ろうとした杉本さんに自重を進言してこそ報道機関じゃないのか。昨日に続いてくり返すが、「自由」「自由」と騒ぐけど人の命にまさる自由があるのか。記者自身は、もし杉本さんがシリアに渡って過激派テロ集団に拘束され、最悪の事態になっても、それでも杉本さんは自分の意思を通してよかったと考えるのか。
それはないだろう。もし最悪の事態になれば、きっと「なぜ止めなかったのか」「日本人の安全を確保するのは政府の責任じゃないか」…などと騒ぎ立てるだろう。
杉本さんの場合はまだことが起きているわけではない。この先の危険に対して本人も政府もどう対応すべきかが問われた問題だ。政府としては最悪の事態を想定した対応を執るしかないじゃないか。
新聞、テレビの記者たちの間違いは、杉本さんがシリアに入っても何も起こらない、最良の場合を考えて論じていることだ。カンボジア内戦などを取材した私の経験でも常に最悪の事態に備えるべきだ。杉本さんは難民キャンプやNGO活動の現場を取材するだけだというが、日本人をねらうと公言しているテロ集団が聞き受けてくれるわけない。万一の時に自分で交渉し解放にこぎつけられるのか。
くり返しになるが、新聞、テレビの記者たちは本当に杉本さんの命よりも渡航の自由や取材の自由の方が大切だと考えているのか。人の命がかかった問題を日常の政府批判と同じように論ずることがまともなのかどうか考えてみたらどうだ。何でもかんでもただ批判すればいいわけではない。
渡航や報道の自由を貫くために杉本さんをシリアに行かせるのですか。
川柳「朝囀」蛮勇に 命知らずと ルビをふる (誠)
http:∥gonbee-72.cocolog-suruga.com
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