残虐なイスラム国に人情論? 国会でおかしなことを言ってる
「イスラム国」による邦人人質事件に絡めて国会議員がおかしなことを言い出した。2人の邦人が拘束されている中を安倍首相が中東を訪問し2億ドルの支援を表明したことや「テロと戦う」とのエジプト演説などがテロ集団に凶行の口実を与えたのではないかという。社民党の吉田忠智党首の指摘に代表される通り、あたかも非が首相や日本政府にあるとでも言わんばかりの発言だ。
何をどう言おうが自由だが、間違ってならないのは何の落ち度もない人質を殺したことは犯罪であり、テロ集団は犯罪集団だという事実だ。
私たちは犯罪を許さない。テロを認めない。テロに屈しない。彼らの育った境遇がどうあれ、貧困がどれだけ彼らを虐げてきたかは別にして卑劣かつ非道を正当化することは許さない。人道、人権論にふれるまでもないことだ。
テロリストたちに罪を償わせる―という首相発言を民主党の大塚耕平議員が2日の参院予算委で追及していたが、極悪非道の犯罪人であるテロリストたちを法の裁きにかけようとする首相の決意に異論をはさむ余地はない。「イスラム国」の過激主義と最前線で戦っているアラブの国々を支援していくことが日本としての毅然たる責任だとする首相発言に何が問題があろうか。
野党は対決姿勢を控え冷静な検証が大切と言いながら、その冷静さが妙な人道主義や人権主義とごちゃ混ぜになってテロ集団へのゆがんだ感傷を醸し出しているように思えてならない。日本人を狙って殺りくを続けるというテロ集団のメッセージに対する脅威がその背景にあるのかもしれない。
だが、テロ集団の言い分を認めてしまうような論戦は絶対にあってはならない。
生活の党の小沢一郎代表は「イスラム国への宣戦布告だった」と扱き下ろした。それこそ政略的対決だ。今、必要なのは冷静に中東の現実と向き合うことだ。戦乱、テロ、生活喪失…人々は絶望の渕にある。その中東と長い連携の中にあるわが国が何を為すべきか。小沢さんともいうべき思慮の政治家が分からぬはずがない。
政治の混乱が何をもたらすか…そのことを政治家は今こそ考えるべきだ。
戦火の下を逃げ惑い、犠牲になっていく人々を前にフリージャーナリスト、後藤健二さんが世に問うてきたことは混乱する政治の非人道性だったのではないか。人間の顔をとどめながら悪魔の心に変わったテロ集団の恐ろしさを後藤さんは自ら犠牲になって証明した。テロの残虐さを身をもって教えた。
国会議員のみなさん、しっかりしてくださいよ。
川柳「朝囀」平和ぼけ テロリストにも 人情論 (誠)
http:∥gonbee-72.cocolog-suruga.com
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