問題だらけ統一選前半戦…人口より先に細る民主主義
統一地方選挙の前半戦が終わった。政令市の静岡、浜松両市の市長、市議選のほか一部無投票選挙区を除いて県議会議員選挙が行われた。県議選は、平均投票率が戦後最低を記録した前回選をさらに下回って47・88%と50%を割ってしまった。投票権を行使する人は2人に1人を切る、まさに「半ペタ民主主義」の時代が現実になってしまった。
投票率の下降現象の結果はどうなるか。語るまでもない。有権者の40%そこそこの人しか投票に行かない。似たり寄ったりの候補者4人が得票を分け合うと当然1人の得票率は10%前後になる。最多得票者が当選して首長になっても有権者の1割程度の得票しかない。市民全体としては1割にも満たない人の支持を得られただけの勘定だ。それでもその首長を市民の代表と呼べるだろうか。
その前に選挙戦に出てくる候補者は変わり映えしない。しかも困ったことに候補者自身による工作や候補者を支える実力者による工作で余計な後者が現われないよう事前調整が行われる。だから、8期、9期という当選歴を持った顔役に近い面々が顔をそろえ、相も変らぬ顔が選ばれる。政治は誰がやったって、どの党がやったって同じだ、と選挙のたびに言われるような現実なのだ。
だが、それが納得できなければ自ら候補者となるか、考えを同じくする人をみんなで擁立するかどちらかしかない。候補はほとんどが自ら名乗り出た自薦者だ。その中からよりふさわしい人を選ぶしかない。「暮らしの手帖」の花森安治さんは「選挙はよりマシな人を探す作業だ。それでないと、マシでない人が多く選ばれてマシでない政治になってしまう」と書き残している。
今度の選挙でどれだけの人がこの「よりマシな人」を選んだだろうか。選りすぐられては勝ち目がないと考えた人たちが企んだのか無投票がやたらに多かった。新聞の当選者写真欄には7期、8期、9期と当選歴を重ねる古だぬきが大勢並んでいる。もはや政治にしがみついている趣だ。こんな化石人種に「地方創生」がやれるだろうか。選ばれる方にも選ぶ方にも問題ばかりだ。
川柳「朝囀」人口より 先に細ってる 民主主義 (誠)
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