ベント不能は電磁弁の溶融が原因…東電が今ごろ発表
東電福島第一原発事故で2号機の原子炉圧力容器の蒸気を抜くベント(安全弁開放)は、部品が高熱で溶けてしまったために作動しなかった可能性が高いと東電が発表した。原因究明が進んだということは貴いが、それにしてもあれから5年近い歳月がたっている。遅すぎる。それに当事者の東電の調査によるものだ。政府事故調などいくつもの調査委員会が調べたのに結論できなかったのはなぜだ。
2号機は事故発生から3日後の平成23年3月14日、非常用冷却装置が停止し、原子炉への注水ができなくなった。消防車のポンプで代替注水しようとしたが、炉内の圧力が髙くて水が入らず、最悪の炉心溶融(メルトダウン)へとつながった。
東電の発表では安全弁を作動させるために窒素ガスを送り込むゴム製の電磁弁が高熱で溶けてしまったのがそもそもの原因だという。
電磁弁の耐熱温度は約170℃だが、大量の蒸気と高熱により耐えられず、劣化した可能性が高いと東電は発表した。しかし、非常用冷却装置が停止し、原子炉への注水ができなくなったのは事故から3日後のことだ。事故発生当日にベントをしていたら最悪事態は免れ得たかもしれない。そのために3月11日の民主党・枝野幸男官房長官(当時)の記者会見を厳密に検証してみる。
「ベント(緊急弁の開放)をすべきかどうか東電から問い合わせが来ているが、(菅)総理が専門知識をお持ちなので、現場視察の後、あるいは途中で指示があると思います」。枝野官房長官は官邸の記者会見でそう語った。菅首相は現場視察を優先し、ベントの指示を怠った。この2日間の遅滞が原子炉の爆発や被害拡大につながった恐れは十分にあると思われる。
5年近くも経ているのに「…の可能性が高い」だの、「…とみられる」だのと人づてのような話をしている東電は当事者意識が薄過ぎる。少なくともわが家、ふるさとを奪われた人たちが何十万人もいる。国会や政府の調査委員会は事故後の菅首相の対応を「現場に過干渉を繰り返し、危機の取り組みとしては最低だった」と断じた。原子炉の溶融という最悪の「人災」にも責任が問われない。異常だ。
川柳「朝囀」歳月が 罪の意識も メルトダウン (誠)
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