人生の夢のシュプール奪われた若者たち…安全無視のバス運行
成人式は終わったばかり。大学入試センター試験も17日で終わる。
スキーツアーのバス事故で生涯を断たれた12人の若者たちも2年、3年前にその関門をくぐり抜けたばかりだった。もう一つの関門、就職も決まり、ゲレンデにそれぞれの人生のシュプールを描き出そうとしていた夢を奪われてしまった。
さぞ無念だったにちがいない。
バス会社もツアー会社もカメラの前で「申し訳ありませんでした」と頭を下げれば済むかもしれない。しかし、若者たちはかえってこない。わが子の成長を楽しみに育ててきた親御さん、きょうだいたちはあきらめきれないだろう。
国交省の監査でバス会社、ツアー会社の法違反が次々と明らかになっている。
この種の事故に共通した利益優先、儲け主義だ。
バス会社は基準を下回る安値で運行を請け負っていた。運転手を過労状態で従事させていた。運転手は健康診断も受けていなかった。バスの安全運行には車の安全点検はもちろんのこと運転手に対する出発前の健康チェックが不可欠だが、それも怠っていた。走行ルートの変更さえ、運転手、バス会社、ツアー会社間で連絡が取れていなかった。起こるべくして起きた事故だといってもいいだろう。
運転手の乗務記録の記載漏れはもちろん、まだ業務が終わっていないのに終了印が押されたりしていたという。法律も規則もあってなきがごとしの状態で、バス会社側の「心のゆるみがあったかもしれない」どころか、安全思想欠如、倫理欠如という決定的な欠陥だ。こんな欠陥人格に安全第一をモットーにする運行業務を認可した国土交通省の責任も無視できない。
事故があるたびに同じような欠陥、問題が明らかにされながらその対応は業者任せで、「いちいち細かくチェックするには人手が足りない」という監督監査機関側の声があがる。人手が足りないから仕方がない―という話になってしまう。
そんなことを亡き若者たち、遺族に言えるのか。監査を徹底して、違反者には認可取り消し、レッドカードを突きつける厳しさが必要だ。
川柳「朝囀」あゝあわれ 楽しきはずの 夜行便 (誠)
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