万引き非行の濡れ衣が引き金―広島中3自殺第三者委報告
遠い広島で起きた悲劇だが、よそ事では済ませられない。昨年12月広島県府中町立府中緑ヶ丘中3年の男子生徒(15)が間違った非行記録で志望校への推薦を断たれたことを悲観して自殺した。有識者でつくった第三者委員会は事実誤認に基づいた進路指導による悲劇と結論付け町教委に報告した。
むごい話だ。男子生徒は担任から「万引き非行歴があるから志望校への推薦はできない」と告げられ、両親を交えた三者懇談を欠席し自宅で自殺した。その万引き非行は別の生徒の行為だったことが生徒指導会議で判明していたにもかかわらず、学校のデータは修正もされず、この男子生徒の非行歴として放置されていた。このため担任も男子生徒の非行歴と信じて指導に使っていた。
推薦受験審査には致命的な万引き非行だ。別の生徒の非行歴だと分かってからも訂正、修正をしてこなかったとはひどい。口を開けば生徒一人ひとりの個性を大切になんて言うのに肝心なところでは無頓着なのだ。やさしく人格を育む教育の場じゃなく絶望の墓場じゃないか。男子生徒が自殺するなどとは思わなかっただろうが、そこまで細やかな気配りをしなければ役割を果たせないのが教師なのだ。
ぼくは万引きなんかしていません―男子生徒にそういって頑張ってほしかったと思うが、男子生徒は「いくら言っても聞いてもらえない」とこぼしていたという話もある。第三者委員会が指摘しているように担任と生徒の間に信頼関係が十分に育っていなかったと考えざるを得ない。悲劇を繰り返さない―何度そう繰り返そうとも男子生徒はかえって来ない。
川柳「朝囀」悲しきは 若きいのちの 消ゆる日々 (誠)
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