聞き飽きたか、いじめ死事件…あっさり報道の新聞、テレビ
好き勝手なことを言うと叱られるかもしれないが、新聞、テレビ各社のみなさん、小中学生のいじめ事件は聞き飽きましたか。報道を見ると記事の扱いがひところに比べ簡素というか、あっさりしているのではないか。騒ぎ立てろというのではないが、有為な若い命が痛めつけられ、最期を遂げていくことは見逃しできない。
いじめ被害を訴えながら自殺した仙台市立中2男子は、口に粘着テープを貼られたり頭にゲンコツを食らうなどの体罰を受けていた。市や教育委員会も体罰が自殺の引き金になったと認めており、聞き逃しにできない。学校のアンケート調査にもズボンを下げられたり暴言を浴びせられるいじめ被害を訴えていた。
丁寧に話を聞いて対処していればいじめはおさまったかもしれない。それなのに先生が体罰を加え、いじめに加担していた。男子生徒は仲間たちにいじめられても、先生だけは味方になって助けてくれる…そう信じていただろう。その望みを断たれた時の男子生徒の絶望感は想像を絶する。
いじめに先生が加担といえば31年前、東京中野区富士見中2年、鹿川裕史君の事件を思い出す。いじめに苦しみ学校を休んだ鹿川君の机の上に線香を立て、裕史くん安らかに…という添え書きを立てる“お葬式ごっこ”に先生も加わっていた。鹿川君は絶えられず自ら命を絶った。そんな残忍が繰り返されたのだ。
いじめ死事件ゆるすものか―新聞、テレビはそう訴えてきたじゃないか。こういう学校を新聞、テレビが叱らなかったら、一体、誰が叱るんだ。自殺後に行われた市教委の調査にも体罰教師たちは名乗り出てもいなかった。都合わるいことはみんな握り潰してしまおうというのが学校だ。人の命を何と心得ているんだ。
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